光合成測定法
The use of the oxygen electrode and fluorescence probes in simple measurements of photosynthesis
by David Walker

Hansatech(イギリスの会社)の酸素電極の使用説明書として出版されたDr. Walkerによる200ページあまりの小冊子です。光合成測定の原理が詳細に書かれているので、学生と訳したものを私が最終監訳して旭光通商から出版してもらったものです。一般書店では販売していませんが、下記担当者に連絡すれば購入できます。

発行所:旭光通商株式会社
担当:村尾 敏寿
tel 03-5453-6501
fax 03-5453-6506

はかる百科
−−ブルーの部分のみが川村先生(大阪教育大・助教授)との共著−−

細胞の構造をはかる (野口担当)

1.光学顕微鏡の構造と原理 
2.光学顕微鏡標本の作製法 
3.電子顕微鏡の構造と原理 
4.電子顕微鏡試料の作製法 
5.細胞内構造の構築と機能の観察法
 5-1. 生体膜 

 5-2. 細胞小器官
  (核、ミトコンドリア、葉緑体、ゴルジ装置、小胞体、リソソーム/液胞、パーオキシ
   ゾーム/マイクロボディ)

 5-3. 細胞骨格系
 5-4. 細胞運動       
 5-5. エクソサイトーシス(小胞輸送)、エンドサイトーシス
三栄源−−FFI Journal
形質転換トマト:遺伝子組み換えの研究は不要か?
植物の形質転換は、日本では認知されることが少ない。現在、その含量等を明示することで食品として使う事も認められているが、一般にはGM-foodと言うだけで毛嫌いされる傾向にある。しかし、そのリスクとベネッフィトを定量的にあつかった研究は少なく、その議論は理解が難しい。一方、食品以外では、植物でも動物(魚)でも形質転換体が商品となっている。日本ではカーネーションが既に販売されているが、現在その販売は社会問題として取り上げられていない。日本での水ストレスや強光ストレス耐性植物の必要性は、接ぎ木苗の育成と言う観点から社会的意味を持っている。活性酸素の消去酵素を形質導入したトマトは、両ストレス耐性を示し、接ぎ木苗の育成期間の短縮に応用出来そうである。さらに、プラスチッド形質転換法を採用することにより、花粉による遺伝子の飛散を防ぐことも可能になりつつある。専門家による啓蒙活動は必要とされるが、新しい技術の発展を阻害するような規制を強化する事は、社会のベネフィットにとってマイナス要因となる。
新農業情報工学
―21世紀のパースペクティブ―
農業情報学会編

生物物理化学
生体内代謝経路のコンピューターシミュレーション

「代謝経路のシミュレーションで一体何が分かるのか?」という質問は、生化学の専門家や理論生物学や生物物理学の専門家からもされる事がある。しかし、この質問には少し異なる意味が含まれている。前者は、所詮生物化学者の手によるシミュレーションは理論生物学者や生物物理学者が考えるものに比べれば遊びに過ぎない,という幾分嘲笑の思いがこもっている。一方後者は、シミュレーションは説明であり,代謝の研究に新しい局面を開くものでは無いという偏見があるように思われる。それはどうも同じところにその根を持っている。1960年代に我々生化学者もコンピューターが重要な意味を持つ時が遠からず来る予感を持ち始めたが、その頃のシミュレーションを振り返ってみると前述の疑問も納得がいく。そのころのモデルはどうもrealityを欠いているようである。多分他の分野でも同じだと思われるが,少なくとも代謝経路の制御を取り扱うためのモデルはrealityを欠いていた。酵素反応の速度もMichaelis-Menten式を用いず単なる一次や二次の反応式を用いて表わすといったことが往々にして行われていた。例えば、筆者が現在研究の対象にしている光合成の暗反応のモデルでも炭酸ガスの固定反応は炭酸ガスとリブロース 1,5-ビス燐酸(RuBP)の二次反応として取り扱われている1)。勿論、膜の構造や能動輸送を考慮に入れることも少なかった。しかしながらこのrealityの欠如により、シミュレーションは数学の遊びであり我々の手の届くものではない,もしくは手を出すべきものではないと言う印象を生化学者に与えてしまった。一方,理論生物学者や生物物理学者には、シミュレーションは数学の言葉を用いた生物現象の記述に過ぎないと思われていたのではなかろうか。しかし、自然の一部としての生物の持つ論理が最近では見直されている。”ニューロ”と言う言葉がコンピューターサイエンスに取り入れられて既に久しい。また最適化問題の解法に遺伝アルゴリズムを取り入れると容易に解が得られる事が提案され,その是非は議論の最中であるらしい2)。生物の代謝制御とフィードバックコントロールという概念は今や切り離せないが,より新しい流れ制御の概念が、詳細な代謝経路のシミュレーションから生まれることも期待され始めている。

生化学事典

リブロキナーゼ[ribulokinase] EC 2.7.1.16.
ホスホリブロキナーゼ[phosphoribulokinase] = ATP:D-ribulose 5-phosphate 1-phosphotransferase. EC2.7.1.19
Dーリブロース [D-ribulose] C5H10O5. 分子量150.13. 比旋光度[α]D -48o(メタノール溶液)
リブロース1、5ービスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ[ribulose 1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase] = カルボキシジスムターゼ. EC 4.1.1.39.
リブロース5ーリン酸 [ribulose 5-phosphate] C5H11O8P,  分子量 230.11.
リブロース1,5ービスリン酸 [ribulose 1,5-bisphosphate] C5H12O11P2,  分子量 310.1.
Dーリボース[D-ribose] C5H10O5 分子量 150.13。融点87℃、比旋光度 [α]D -24o (水溶液中)、
リボース1ーリン酸[ribose 1-phosphate] C5H11O8P, 分子量 230.11. 
リボース5ーリン酸 [ribose 1-phosphate] C5H11O8P, 分子量2 30.11 比旋光度[[α]D -24o (水溶液中)、